姫路市の主な災害リスクと備えの重要性
姫路市は、山あり、川あり、海（瀬戸内海）に面した地域もあるなど、地形や自然環境の多様性から、さまざまな自然災害のリスクを抱えています。例えば…
- 大雨により河川があふれたり、堤防が決壊したりする洪水・浸水のリスク。
- 急傾斜地や山間部では、**土砂災害（山崩れ・がけ崩れ）**の可能性。
- 海岸部や港湾近くでは、高潮・津波のリスク。
- さらに、国内どこでも無関係ではない地震による災害。
こうした複合的なリスクに対し、日ごろから「どこが危険か」「もしものときどう行動すべきか」を知っておくこと — それが「備え」の第一歩です。
そのために役立つのが、事前に危険区域を「見える化」する 「ハザードマップ」。 災害が起きてから慌てるのではなく、「自分の住む地域はどんなリスクがあるか」をあらかじめ確認することで、安全な選択や準備ができます。
本記事では、姫路市が提供するハザードマップの読み方と活用法、避難所の確認方法、そして災害時に発令される「避難情報（警戒レベル）」の意味と、取るべき行動をわかりやすく解説します。
1. 姫路市のハザードマップの確認方法と種類
1-1. オンラインで確認できる「ひめじ防災マップ」の使い方
姫路市では、紙のマップだけでなくインターネット上で確認できるハザードマップを提供しています。公式サイトの「各種ハザードマップ」ページにて、洪水・土砂・高潮・津波など、さまざまな災害に対応した地図情報がまとめられています。 姫路市公式サイト+1
特に「姫路市Webマップ（ひめじ防災マップ）」にアクセスすると、以下のような情報をスマホやパソコンで見ることができます。 姫路市公式サイト+2Wagmap+2
主な機能・確認できる情報
- 各河川の「浸水想定区域」と、浸水時の「水の深さ」の予測（色分けで表示） Wagmap+1
- 市内各地域の「土砂災害警戒区域」や「急傾斜地の崩壊警戒区域」の表示 姫路市公式サイト+1
- 海岸部・港湾部などの「高潮浸水想定区域」の表示 — 津波の可能性も含めた想定図。特に高潮マップは、過去の大規模台風の条件（最悪ケース）を基に作成されています。 Wagmap+1
スマホでの使い方のポイント
- ブラウザで「姫路市 Webマップ」へのアクセス（スマホ可）
- 自宅や近所の住所を入力、または地図を拡大／移動して確認
- 「洪水」「土砂」「高潮」「津波」など、見たいリスクのレイヤーをON／OFF
- 浸水深や警戒区域の色分けで「自宅がどの程度危険か」をチェック
なお、姫路市では多言語対応のハザードマップ（英語・中国語・韓国語・ベトナム語など）も公開しており、日本語が母国語でない世帯でも使いやすいよう配慮されています。 姫路市文化国際交流財団+1
1-2. ハザードマップで確認すべき3つのリスク（水害・土砂・高潮）
以下は、姫路市で特に注意すべき代表的なリスクと、その特徴です。
| リスク | 特徴・どの地域に多いか |
|---|---|
| 洪水・浸水（水害） | 市内を流れる複数の河川（例：揖保川、市川、夢前川、大津茂川、汐入川 など）が想定対象。大雨や集中豪雨で河川があふれたり、堤防決壊により想定を超える浸水被害の可能性。低地・河川近くの地域や、築年数の古い住宅は特に注意。 Wagmap+1 |
| 土砂災害（崖崩れ・がけ崩れ） | 山間部や丘陵地、急傾斜地、もともと地形の傾斜がある地域では、豪雨時に土砂災害のリスク。特に市内の坂の多い地域、山の近くの住宅地では警戒が必要。ハザードマップで「土砂災害警戒区域」や「崖崩れ警戒区域」を確認しておくことが重要。 姫路市公式サイト+1 |
| 高潮・津波 | 海や湾、港に近い地域では、台風や大雨、津波による浸水リスクがある。特に高潮マップは、過去の大規模台風クラスの最悪条件を想定して作成されており、海岸部や埋立地、港湾近辺、低地の住居は注意が必要。 Wagmap+1 |
—— 住んでいる地域がどのリスクに該当するかを、必ず「ひめじ防災マップ」で確認してください。特に新しく引っ越してきた世帯、子育て世帯では、「子どもの登下校経路」や「普段使う道」が危険かどうかを把握することが重要です。
2. 災害時の避難場所と避難行動の基本
2-1. 指定避難所と指定緊急避難場所の違い
災害時に「避難する先」として、姫路市では主に次の２つが指定されています。 姫路市公式サイト+2姫路市公式サイト+2
- 指定緊急避難場所
災害が差し迫ったとき、まず命を守るために急いで避難する「安全確保のための一時的な避難場所」。例：洪水時にすぐに逃げるための高台、公園、頑丈な建物など。 - 指定避難所
災害後、自宅に戻れなかったり、自宅が危険になったりした場合に、一定期間滞在・避難生活を送るための施設。例：小学校、公民館、体育館など。
この２つは目的が異なり、「今すぐ逃げる場所」か「安全が確保された後に生活する場所」かで使い分けられます。災害の種類（洪水・土砂・高潮・地震など）によって適した避難先が異なるため、自宅近くの避難所・避難場所をあらかじめ複数確認しておくことが大切です。
（この区分は、他都市の例と同じ考え方ですが、姫路市も「指定緊急避難場所」「指定避難所」を分けて指定しています。） 姫路市公式サイト+1
2-2. 自宅からの最寄りの避難所を調べる方法
- 公式「指定避難所・指定緊急避難場所 一覧」PDFを確認
姫路市の公式サイトにて、最新の「指定避難所・指定緊急避難場所一覧」が公開されています。これを使って、自宅の住所や最寄りの公共施設などから、どこが指定先かを調べられます。 姫路市公式サイト+1 - 「姫路市 Webマップ（ひめじ防災マップ）」を使って地図上で確認
避難所・避難場所も地図上にプロットされており、自宅からの距離やアクセス経路を地図で確認できます。災害時には「安全に移動できるか」をあらかじめ考えておくことが重要です。 姫路市公式サイト+1 - 複数の避難先をあらかじめ決めておく
災害の種類（洪水・土砂・高潮・地震）や災害の状況によって、最善の避難先は変わります。できれば「まず逃げる先（緊急避難場所）」と「避難所」をそれぞれ把握し、どちらにもアクセスできるようにしておきましょう。 - 特に子育て世帯や高齢者世帯は、避難経路や安全性を事前に確認
雨の日や夜間など、状況が限られる時間帯にも安全に移動できるかを考えておくことが重要です。
3. 避難情報（レベル）の正しい意味と行動
災害が差し迫ったとき、または進行中のとき、行政（姫路市）や気象庁などから「避難情報」が出されます。これは単に「注意してね」という合図ではなく、「どんな行動を取るべきか」を具体的に示す重要な目安です。特に、内閣府 が提唱する「警戒レベル」に基づき、以下のような区分と行動が決められています。 姫路市公式サイト+1
以下、主なレベルを市民向けにわかりやすく説明します。
3-1. 警戒レベル3 「高齢者等避難」
- 対象：高齢者、乳幼児、障がいのある人、妊婦など、避難に時間がかかる人や支援が必要な人。
- 意味：「危険な場所にいる場合は避難を始めてください」、つまり「まず安全なところへ移動することを検討してください」という段階。
- 市民の行動：高齢者等に該当する人や、その支援者は速やかに避難を。その他の人は「避難の準備を整える」、避難持ち出し品を準備する、避難先の確認をするなど。
たとえば、河川の近くに住んでいたり、ハザードマップで浸水区域や警戒区域に入っている場合、この警戒レベル3で速やかに避難先を確認し、必要なものを持って安全な場所に移動する判断が求められます。
3-2. 警戒レベル4 「避難指示」
- 意味：「これ以上危険が高まる前に、安全な場所に全員避難を」という指示。
- 対象：全ての住民。特に、ハザードマップで危険区域にいる人、住宅の安全性が不明な人、子ども世帯、荷物が多い世帯などは早めの避難を。
- 市民の行動：指定避難所や指定緊急避難場所に避難を完了させる。もし避難所までの移動が危険と思われる場合は、「近くの頑丈な建物」「少し高台の場所」「知人・親戚の家」など、安全と思われるところに避難。
警戒レベル4は、災害が差し迫っており、速やかな行動が求められる非常に重要なタイミングです — 避難のタイミングを遅らせないようにしてください。
3-3. 警戒レベル5 「緊急安全確保」
- 意味：「災害がすでに発生中、または今すぐ発生する可能性が高い」 — 命を守るための最善の行動を取る段階。
- 市民の行動：避難所に向かうのが困難な場合、自宅の中でも「より安全な場所へ移動」、たとえば２階以上（浸水が予想される場合）、崖や斜面から遠ざかる、頑丈な建物や高台に避難するなど。ただちに安全確保を第一に行動。
このレベルは「待つ」のではなく「すぐ行動する」必要があります。洪水・土砂・高潮など、災害が進行中あるいは発生直前のときに出されることが多いです。
姫路市民向け 防災チェックリスト（印刷用）
以下の画像を保存して印刷していただくと、ご家庭用のチェックリストとしてすぐにお使いいただけます。
- 子育て世帯・高齢者同居世帯向け https://himeji-navi.com/wp-content/uploads/2025/12/姫路市民向け-防災チェックリスト（印刷用）-1.pdf
- ペット・全世帯共通向け https://himeji-navi.com/wp-content/uploads/2025/12/姫路市民向け-防災チェックリスト（印刷用）.pdf
まとめ：防災対策の第一歩は「知ること」から
姫路市で安全に暮らすための第一歩は、自分の住んでいる地域がどんなリスクを抱えているかを知ること ― つまり、ハザードマップを見ること です。
- 「ひめじ防災マップ」をスマホやパソコンで開いて、自宅や学校、職場、子どもの通学路などをチェック。
- 洪水、土砂、高潮など、どのような災害のリスクがあるかを確認。
- 最寄りの「指定避難所」「指定緊急避難場所」を把握し、地図上で避難経路や移動手段をあらかじめ検討。
- 家族構成（子ども、高齢者、要支援者など）に応じて、どの「警戒レベル」でどのように行動するかをあらかじめ家族で共有。
特に、新しく姫路に引っ越してきた世帯や、子育て世帯では、災害後の子どもの安全、通学・通勤の安全、家族の避難経路などをいち早く確認することが重要です。
災害は「いつ起きるか分からない」 — だからこそ、**「知ること」と「備えること」**が、最大の防災対策になります。
主な公式情報源（姫路市）
- 各種ハザードマップ一覧 — 洪水、土砂、高潮、津波など。 姫路市公式サイト+1
- 「姫路市 Webマップ（ひめじ防災マップ）」 — 浸水想定区域、土砂災害警戒区域、高潮などを地図で表示。 姫路市公式サイト+2Wagmap+2
- 指定避難所・指定緊急避難場所一覧および地図情報。 姫路市公式サイト+1
- 避難情報（警戒レベル別の意味と行動）についての説明。 姫路市公式サイト+1
