姫路市不妊治療の助成金と専門病院リスト：費用負担を減らす公的支援と相談窓口

子育て

姫路市の不妊治療支援の現状

不妊治療は、タイミング法や人工授精から、体外受精・顕微授精といった高度生殖医療まで段階が進むにつれて、1回あたり数十万円の費用がかかることもあり、心身だけでなく経済的な負担も大きくなりがちです。

2022年4月からは、体外受精・顕微授精などの生殖補助医療が原則として公的医療保険の適用となり、自己負担は3割（高額療養費制度の対象）に変わりましたが、保険が効かない「先進医療」や一部検査・薬剤については、依然として全額自己負担となります。兵庫県

こうした中で、兵庫県や姫路市では、

  • 保険適用外の「先進医療」や
  • 不妊・不育に関する検査・治療

に対して独自の助成制度を設け、経済的負担の軽減を図っています。姫路市公式サイト+2姫路市公式サイト+2

この記事では、姫路市在住の方向けに

  1. 利用できる公的助成制度
  2. 姫路市内の不妊治療に対応した専門医療機関
  3. 助成金申請の流れと相談窓口

をまとめて紹介します。お金のこと・治療のことを、一人で抱え込まずに相談していくための「入口」として活用していただければと思います。

1. 姫路市（兵庫県）の不妊治療に関する公的助成制度

1-1. 特定不妊治療費助成事業（国の制度終了後の県・市の制度確認）

（1）背景：国の制度は「保険適用」に移行

従来行われていた国の「特定不妊治療費助成事業」は、2022年4月の保険適用開始に伴い終了しました。その代わりに、体外受精・顕微授精などの生殖補助医療が健康保険の対象となり、治療費の一部は保険診療として3割負担（＋高額療養費制度）で受けられるようになっています。兵庫県

ただし、以下のような保険適用外の費用は、依然として大きな負担となりえます。

  • 生殖補助医療と併用して行う「先進医療」（PICSI法、タイムラプス培養、ERA検査など）兵庫県
  • 一部の検査・薬剤
  • 卵子凍結費用　など

そこで兵庫県・姫路市では、保険適用外の「先進医療」部分や検査費用等に対する独自の助成制度を設けています。

（2）兵庫県：不妊治療における先進医療費および通院交通費助成

  • 制度名：不妊治療における先進医療費および通院交通費助成（兵庫県）兵庫県
  • 対象者（概要）
    • 先進医療を受けた時点で、法律上の夫婦または事実婚の夫婦
    • 妻の年齢が43歳未満
    • 申請時点で夫婦のいずれかが兵庫県内在住
    • 厚生労働省が承認した先進医療実施医療機関で、先進医療を受けたこと など兵庫県
  • 助成内容
    1. 先進医療の治療費助成
      • 生殖補助医療と併用して実施した「先進医療」にかかる費用
      • 1クール（採卵〜胚移植まで）あたり 3万円（定額） を助成
    2. 通院交通費助成
      • 1クールの通院交通費から5,000円を引いた額の2分の1（千円未満切り捨て）を助成
  • 助成回数
    • 回数制限なし（保険診療であっても、先進医療を併用していれば申請可能）兵庫県
  • 申請方法・期限
    • 原則オンライン申請
    • 令和8年3月31日までに申請（クールごとに申請）兵庫県

※兵庫県の助成は県に対して直接申請します。実際に治療を行った医療機関が「先進医療実施医療機関」に該当するかどうか事前に確認しておくと安心です。

（3）姫路市：特定不妊治療等に係る先進医療費助成事業

兵庫県の助成に加えて、姫路市では独自に「先進医療」を伴う特定不妊治療の治療費を助成しています。姫路市公式サイト

  • 制度名：令和7年度 特定不妊治療等に係る先進医療費助成事業（審議中等の技術を伴う治療が対象）姫路市公式サイト
対象者（概要）

次のすべてを満たす夫婦が対象です。姫路市公式サイト

  1. 治療開始時に婚姻しており、姫路市内に住所があること
    • 事実婚も対象（重婚でないこと・同一世帯などの確認書類が必要）
    • 単身赴任などで一方のみ姫路市在住の場合も、申請者が市内在住なら対象
  2. 治療期間初日の妻の年齢が43歳未満
  3. 特定不妊治療等（体外受精・顕微授精等）のほかに妊娠の見込みがない・極めて少ないと医師が診断した場合
  4. 令和7年4月1日以降に1回の治療が終了すること
助成内容（概要）
  • 対象となる治療：
    • 「審議中等の技術（先進医療に位置づけられる前段階）」を含む保険診療外の特定不妊治療
  • 助成額（治療1回あたりの上限）姫路市公式サイト
    • 治療ステージA・B・D・E：30万円
    • 治療ステージC・F：10万円
    • 男性不妊手術（精巣・精巣上体からの精子採取など）：30万円
  • 助成回数（初回助成時の妻の年齢により異なる）姫路市公式サイト
    • 40歳未満：43歳になるまでに開始した治療について通算6回まで
    • 40歳以上43歳未満：43歳になるまでに開始した治療について通算3回まで

※助成を受けたあとに出産（または妊娠12週以降の死産）した場合、助成回数をリセットできる仕組みもあります。姫路市公式サイト

申請期限・窓口（概要）
  • 1回の治療が終了した日の**同一年度内（翌年3月31日まで）**に申請が必要
  • 申請場所：姫路市保健所1階 申請受付窓口（郵送不可、平日9:00〜17:00）姫路市公式サイト

（4）姫路市：不妊治療ペア検査助成事業

治療に入る前段階の「不妊検査」に対する市独自の助成です。姫路市公式サイト

  • 制度名：令和7年度 不妊治療ペア検査助成事業
  • 対象者（すべて満たす人）姫路市公式サイト
    1. 申請時点で姫路市内に住所がある夫婦（事実婚を含む）
    2. 検査初日の妻の年齢が43歳未満
    3. 夫婦そろって受診していること
      • 別々に受診する場合も、妻と夫の初回受診の間隔が3か月以内であれば可
    4. 他自治体の不妊検査助成を受けていないこと
  • 助成内容姫路市公式サイト
    • 保険適用外の不妊症検査費用の**7割（10分の7）**を助成
    • 1組あたり 上限2万円
    • 対象期間：令和7年4月1日〜令和8年3月31日に受けた検査
    • 助成回数：夫婦1組につき1回

「治療に踏み出すか悩んでいる段階」で、まず検査を受けたいご夫婦にとって利用しやすい制度です。

1-2. 不育症治療費助成事業（不育症に関する助成制度の有無と概要）

姫路市には、不育症の検査・治療に対する独自の助成制度があります。姫路市公式サイト

  • 制度名：令和7年度 不育症治療支援事業

対象者（概要）

次の1〜4すべてに該当するご夫婦が対象です。姫路市公式サイト

  1. 姫路市内に住所がある夫婦（事実婚を含む）で、住民票が市内にある期間の治療であること
  2. 治療等を行った期間の初日における妻の年齢が43歳未満
  3. 2回以上の流産・死産・早期新生児死亡の既往があると医師に診断されていること
  4. 申請に係る治療等について、他自治体の不育症助成を受けていないこと

助成内容（概要）

  • 助成金額姫路市公式サイト
    • 不育症の検査・治療（絨毛染色体検査を除く）の保険外医療費：10分の7
    • 絨毛染色体検査にかかる保険外医療費：上限6万円
  • 助成回数
    • 1年度（4月1日〜翌年3月31日）の医療費について1回（通算回数の制限なし）

申請期間

  • 原則、治療を実施した日の**同一年度内（3月31日まで）**に申請
  • 治療期間が年度末〜翌年度初めにかかる場合など、一部例外的に翌4月30日まで申請可能なケースもあります。姫路市公式サイト

2. 姫路市内の不妊治療に対応した専門医療機関

ここでは、姫路市内で不妊治療・高度生殖医療、または専門的な婦人科診療に対応している代表的な医療機関を4つ紹介します。実際に受診する際は、最新の診療内容・予約方法を各院の公式サイトで必ずご確認ください。

2-1. Kobaレディースクリニック

  • 所在地：兵庫県姫路市北条口2丁目18 宮本ビル1F（JR姫路駅から徒歩圏の不妊治療専門クリニック）koba-ladies.jp+1
  • 特徴：
    • 2003年開院の不妊治療専門施設で、姫路駅前エリアを中心に播州地域・兵庫県全域から患者が通院koba-ladies.j
    • 一般不妊治療（不妊検査・タイミング法・人工授精）から、**体外受精・顕微授精・凍結融解胚移植などの生殖補助医療（ART）**まで一貫して対応koba-ladies.jp
    • タイムラプス培養やDNA損傷の少ない精子選別など、先進医療の認定施設として高度な技術を導入koba-ladies.jp+1
    • 不妊治療ペア検査、不育症治療、卵子凍結（ノンメディカルな卵子凍結）にも対応しており、姫路市や兵庫県の助成制度を利用しやすい体制koba-ladies.jp+1
    • 不妊カウンセラーや体外受精コーディネーターによるカウンセリング体制が充実しており、治療方針を相談しながら進めやすいkoba-ladies.jp+1

2-2. 中林産婦人科クリニック

2-3. 親愛産婦人科

  • 所在地：兵庫県姫路市網干区垣内中町260番地親愛産婦人科
  • 特徴：
    • 産科・婦人科・無痛分娩に加え、一般不妊治療から体外受精まで対応する総合的な産婦人科クリニック親愛産婦人科 | 兵庫県姫路市で産婦人科・無痛分娩・婦人科・不妊治療なら+1
    • タイミング法・人工授精・体外受精などの治療に加え、男性不妊治療に関する診療も行っており、夫婦で取り組む妊活をサポート
    • 不妊治療成績や費用をホームページで開示し、治療内容や結果がイメージしやすい情報提供を行っている
    • 不育症の検査・相談も受け付けており、流産を繰り返して不安を抱える方の相談先としても利用しやすい

2-4. 姫路の森レディースクリニック

  • 所在地：兵庫県姫路市駅前町271 姫路駅前メディカルガーデン2階（JR姫路駅から徒歩約3分）姫路の森レディースクリニック+2医療提供制度+2
  • 特徴：
    • JR姫路駅前のみゆき通り沿いに位置する婦人科クリニックで、土日診療にも対応しており、仕事を続けながら通院しやすい姫路の森レディースクリニック+1
    • 生理不順、月経痛、子宮内膜症、更年期症状など、婦人科全般の診療を行い、その中で初期の不妊相談や基本的な検査にも対応
    • 必要に応じて、体外受精など高度生殖医療を行う専門施設（例：Kobaレディースクリニックや中林レディースクリニックなど）への連携・紹介も視野に入れた診療を行っていると案内姫路の森レディースクリニック
    • 「まずは生理やホルモンバランスの状態を知りたい」「今すぐ体外受精までは考えていない」という段階の方が、気軽に相談しやすい入口的な婦人科として利用しやすい

※上記はあくまで一例です。予約状況や治療内容は日々変わるため、受診前に必ず各医療機関の公式サイトや電話で最新情報をご確認ください。

3. 助成金申請の流れと相談窓口

3-1. 助成金申請の必要書類と手続きの流れ

ここでは、姫路市の「不妊治療ペア検査助成事業」を例に、一般的な申請の流れを紹介します。ほかの不育症・先進医療費助成も、基本的な考え方はほぼ同じです。姫路市公式サイト+2姫路市公式サイト+2

主な必要書類（例：不妊治療ペア検査助成）

  1. 申請書（不妊治療ペア検査助成事業申請書）姫路市公式サイト
  2. 受診等証明書（医療機関記入）
  3. 検査費用の領収書（原本）
  4. 夫婦の住民票等（姫路市在住であることを証明。世帯全員・続柄・戸籍筆頭者の記載あり、マイナンバー記載なし）
  5. 戸籍謄本（抄本）（住民票で婚姻関係が確認できない場合、また事実婚の場合は両人分）
  6. 相手方登録申出書（振込先口座を登録するための書類）
  7. 事実婚関係に関する申立書（事実婚の場合）
  8. 通帳（口座情報がわかる面）
  9. 印鑑（認印、スタンプ印不可）姫路市公式サイト

申請書や証明書の用紙は、保健所1階窓口で配布されているほか、姫路市ホームページからダウンロードも可能です。

申請の基本的なステップ

  1. 医療機関を受診
    • 不妊検査や不育症検査・治療、先進医療等を受ける
  2. 必要書類の準備
    • 領収書を必ず保管
    • 医師に「受診等証明書」への記入を依頼
    • 住民票・戸籍謄本などを市役所・駅前市役所・支所などで取得（手数料は自己負担）姫路市公式サイト
  3. 保健所窓口で申請
    • 保健所1階「申請受付窓口」で申請書類一式を提出
    • 受付時間：平日 9:00〜17:00（土日祝・年末年始除く）姫路市公式サイト+1
  4. 審査・助成決定
    • 書類審査後、助成決定通知が送付される
    • 問い合わせや書類補正が必要になる場合もあるため、余裕を持って申請する
  5. 指定口座への振込
    • 実際の振込まで、申請から一定の期間がかかる

ポイント：

  • いずれの制度も「年度ごと」に申請期限が設定されています。
  • 「書類が間に合わないかも…」と思った時点で、まず保健所に相談するのがおすすめです。姫路市公式サイト+1

3-2. 姫路市役所の担当部署と相談窓口（保健所・保健センターなど）

不妊治療や不育症の助成・相談に関する姫路市の窓口は、以下のとおりです。姫路市公式サイト

助成制度・専門相談の総合窓口

姫路市 健康福祉局 保健所 保健所健康課

  • 住所：〒670-8530 姫路市坂田町3番地 中央保健センター3階
  • 電話：079-289-1641
  • ファクス：079-289-0210

ここでは、

  • 不妊治療ペア検査助成事業
  • 特定不妊治療等に係る先進医療費助成事業
  • 不育症治療支援事業
  • 卵子凍結費用助成事業 など

の申請方法や制度の詳細、必要書類について相談できます。姫路市公式サイト+2姫路市公式サイト+2

不妊・不育に関する相談窓口

  1. 姫路市こどもの未来健康支援センター
    • 不妊症・不育症に関する相談に、助産師や保健師が対応
    • 相談方法（電話・面談など）や日時は「不妊・不育症の相談」ページで案内されています。姫路市公式サイト
  2. 兵庫県 不妊・不育専門相談
    • 県が実施する専門相談窓口
    • 不妊治療・流産を繰り返す不安・治療選択など、専門医やカウンセラーに相談可能姫路市公式サイト+1

治療の進め方や助成制度のことで迷ったときは、医療機関だけでなく、こうした公的な相談窓口も積極的に利用して大丈夫です。 匿名での相談や、パートナーと一緒の相談が可能な場合もあります。

まとめ：支援制度を活用して、安心して治療を

不妊治療・不育症の検査や治療は、身体的な負担だけでなく、気持ちの面・経済的な面での負担も小さくありません。

  • 兵庫県の**「先進医療費・通院交通費助成」**、姫路市の
  • 「特定不妊治療等に係る先進医療費助成事業」
  • 「不妊治療ペア検査助成事業」
  • 「不育症治療支援事業」

などの制度を上手に組み合わせることで、自己負担額を抑えながら治療に取り組むことができます。姫路市公式サイト+3兵庫県+3姫路市公式サイト+3

また、姫路市内には体外受精まで対応する専門クリニックから、まずは検査・初期治療ができる婦人科クリニックまで、複数の選択肢があります。自分たちが今どの段階にいるのか、どこまでの治療を希望するのかを整理しながら、

  • かかりつけの婦人科や不妊治療専門クリニック
  • 姫路市保健所健康課
  • こどもの未来健康支援センター
  • 兵庫県の不妊・不育専門相談

を、**「一緒に考えてくれるパートナー」**として活用していけると良いと思います。

不妊治療に向き合うプロセスは、決して楽なものではありませんが、「制度」と「相談先」を知っておくことで、少しでも不安や負担を軽くすることができます。この記事が、姫路市で治療や相談を始める際の一歩を後押しできれば幸いです。

参考URL（情報源）

※公式サイトを中心に、制度・窓口・医療機関の情報を参照しています。

【姫路市の制度・相談窓口】
・令和7年度 不妊治療ペア検査助成事業
  https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/0000017185.html

・令和7年度 特定不妊治療等に係る先進医療費助成事業
  https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/0000023617.html

・令和7年度 不育症治療支援事業
  https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/0000003699.html

・不妊・不育症の相談（姫路市）
  https://www.city.himeji.lg.jp/kurashi/（不妊・不育症相談ページ）

【兵庫県の制度・相談】
・不妊治療における先進医療費および通院交通費助成
  https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf17/funinsenshinkoutuhi.html

・不妊・不育専門相談（兵庫県）
  https://web.pref.hyogo.lg.jp/（不妊・不育専門相談ページ）

【主な医療機関（例）】
・こばやしレディースクリニック
  https://www.kobaladies.jp/

・中林産婦人科クリニック
  https://www.nakabayashi-clinic.jp/

・親愛産婦人科
  https://www.shinai-mc.jp/

・姫路の森レディースクリニック
  https://www.himenomori-lc.jp/

（URLの末尾パスは今後変更される可能性があります。最新情報は各公式サイトのトップページからご確認ください。）

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